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脳梗塞の症状

脳梗塞は壊死した脳の部分によって失われた脳機能が違ってきます。それにより、症例によって様々な症状が起こります。その症状によって、脳のどこに病巣ができているのかが分かります。脳梗塞のほとんどは、突然の発作にはじまり、病状が急速に進んで数分から数時間で脳の組織が壊死してしまいます。脳梗塞で身体が動かせなくなると、様々な合併症も現れます。嚥下がうまくできなくなる誤嚥での肺炎や、身体を自分で動かせないので、長時間同じ姿勢で横になっていることによる床ズレができたり、自由に脚を動かすことができないので、ソケイ部の奥の静脈に、深部静脈血栓症を起こしたりします。 誰もが自分だけは関係ないと思ってしまいがちですが、明日は我が身と思っていなければいけません。それだけ脳梗塞を起こす人が増えてきているということです。後遺症が残る可能性の高い病気ですので、日頃からの予防が大切になります。

麻痺

脳梗塞の症状で、一番頻度の高いのが麻痺症状です。運動障害をも意味していて、その発症の原因は前頭葉の運動中枢が中大脳動脈の閉塞によって壊死するか、錘体路が能管の梗塞で壊死するかで発症します。多くは片側の腕や足、顔面が脱力してしまったり、筋力が低下してしまう片麻痺となります。脳幹梗塞では、顔と両手両足で麻痺が異なる交代制麻痺が起こるケースもあります。

感覚障害

感覚障害は、感覚線維や頭頂葉の感覚中枢が壊死することで起こります。感覚が鈍くなったり、全くなくなったりするほかに、慢性期には疼痛が現れることもあり、人間が人間らしい生活を送ることができるかどうかのクオリティ・オブ・ライフへの影響も大きくなります。

失調

小脳や脳幹が閉塞することで現れる症状で、巧緻運動や歩行、話すという行為やその音声、平衡感覚の障害が現れます。これに付随して、めまいが起こる場合もあります。

意識障害

意識障害は、意識レベルなどが脳幹の覚醒系が障害されたときなどに低下する他に、大脳皮質が広範囲にわたって破壊された場合にも見られる症状です。こうしたことがなくても、急性期脳の腫れなどによって、脳の活動が全体的に抑制され、意識レベルが一時的に下がることがあります。ラクナ梗塞(【脳血管が詰まる】を参照)で意識障害を起こしにくいのは、梗塞範囲が狭いために、脳の腫れなど、脳全体への影響が小さいことによるものです。

構音障害・嚥下障害

麻痺や感覚障害が、咽頭や喉頭、下の運動にも及ぶことで嚥下や発生機能にも障害が発生します。構音障害は、脳が言語処理をすることができても、発生段階で障害が出るため、コミュニケーションが不十分になります。嚥下障害は、摂食が不十分になってしまい、社会復帰を難しいものにしたり、誤嚥によって肺炎を起こすことがあるなど、影響が大きくなります。


構音障害や嚥下障害を起こす喉頭や咽頭機能の障害は、脳幹の延髄の障害に由来し、延髄は球形をしていることから球麻痺とも呼ばれますが、上部から延髄にいたる神経線維の障害でも似たような症状があるため、仮性球麻痺と呼ばれます。

高次脳機能障害

失語、失認をはじめとした高次機能障害が現れることがあり、非常に種類が多いものです。中でも、大脳半球に障害が出て、片側からの視覚、聴覚、触覚などのあらゆる刺激を認識できなくなる、半側空間無視がとても多く見られます。
大脳劣位半球頭頂葉で見られ、右利きの人の95%は右に劣位半球があることから、そのほとんどが右利きで左片麻痺の患者に見られる症状と言えます。反対に、優位半球の障害で失語が見られ、右利きで右麻痺の患者に多く見られます。