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脳梗塞の治療

脳梗塞の発作を起こしたら、適切な診断をして脳梗塞のタイプを判断し、できるだけ早い治療開始が望まれます。脳梗塞の急性期には、腫脹などによって壊死が進行するのを阻止するのが重要になります。また、再び梗塞が起こるのを防がなければいけません。脳梗塞の治療は、基本的に入院治療になります。症状のない無症候性脳梗塞で、危険因子がないとされる場合は、入院せずに経過観察になる場合もありますが、脳梗塞の発作を起こしたら入院することになります。入院期間は脳梗塞の種類や治療法によって異なります。 脳梗塞は日本の死亡率で第3位に位置していて、その中でも重症なタイプの心原性脳塞栓症では死亡率が12%と高く、アテローム血栓性が6%となっていて、ラクナ塞栓は命に影響があるものはほとんどなく、90%以上の人が社会復帰していますが、いずれのタイプの脳梗塞にせよ、早期発見、発作後の早急な治療が必要になります。脳梗塞の治療は時間との戦いです。脳は15分から、長くても1時間血液が送られないと死んでしまいます。あっという間に脳の組織が破壊されてしまうのです。

急性期

発症から3時間以内

 

脳梗塞を起こしてから3時間以内の超急性期の場合、施設の整った医療機関であれば、血管内カテーテルを用いてウロキナーゼを局所動脈内投与する血栓溶解療法が有効的です。

t-PAのうち、アルテプラーゼの静脈内投与による、超急性期虚血性脳血管障害の治療でも、健康保険が適用されるようになりました。しかし、脳出血の副作用を起こす危険もあり、日本ではまだ臨床試験中になります。

発症から6時間以内

脳梗塞を起こしてから6時間以内の場合、詰まった脳血管にカテーテルを入れて血栓溶解療法で経動脈的投与をします。血栓溶解療法は、心原性脳血栓にとても有効ですが、脳の血流が35%未満と極端に低くなっている場合、脳出血などの副作用を起こす場合があります。

48時間以内

発症から48時間以内であれば、抗凝固療法が行われます。脳血栓症に効果があり、血栓が固まるのを防ぎます。点滴で投与し、詰まりかかっている血管が完全に塞がるのを防ぐと共に、血栓が大きくなるのも防ぐため、脳梗塞を広げるのを防ぐこともできます。経過を観察して意識障害が進行するようであれば、頭蓋骨をはずす手術が必要とされる場合があります。

5日以内

発症から5日以内の脳血栓には抗血小板療法が行われます。再発防止の目的で使われますが、これは、血液が固まるときに働く血小板を阻止して、血液を固まりにくくする薬です。この薬を使うことで、血液の流れは改善されます。

脳の浮腫に

脳梗塞では、脳が浮腫んで腫れた状態になることがあり、その圧迫によって脳がダメージを受けます。この場合は、浮腫みを抑える抗脳浮腫薬の点滴を行います。

慢性期

 

脳梗塞の慢性期は、治療そのものと言うよりも、再発を予防するのが中心となります。

薬物療法

慢性期の脳梗塞には、血圧が上がらないようにする薬や、血栓ができないように防ぐ薬、血液の循環をよくする薬などが使われます。

血管治療

脳につながる動脈が狭くなっていたり血栓がある場合、血管内膜切除術という、手術によって取り除く方法です。脳梗塞の一番の原因と言われている、動脈硬化を防ぐために行われます。方法は、症候性頚動脈狭窄が70%以上あり、全身麻酔に耐えるだけの体力があり、5年以上の生存が見込まれる患者に対しては、頚動脈内剥離手術が効果的です。手術を行わずにステント留置術が行われるケースが増えてきましたが。新しい治療法とも言え、まだデータが少ないのが現状です。