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脳血管が詰まる

血管内部が狭くなったり詰まってしまうと脳に酸素や栄養が行渡らなくなり、脳梗塞が起こります。脳梗塞は血管の詰まり方や詰まる血管の太さで、いくつかに分類することができます。ダメージを受けた脳の場所やその範囲によって、症状や重症度が異なります。

ラクナ梗塞

 

日本人で最も多い脳梗塞のタイプがこのラクナ梗塞になります。ラクナは小さなくぼみを意味していて、直径15mm以下の小さな梗塞を意味します。脳の血管は太い血管から細い血管に枝分かれしていきますが、この細い血管が狭くなり、詰まってしまうのがラクナ梗塞です。安静時に起こりやすく、朝起きたら手足がしびれていたり、運動障害を起こしていたり、言葉が発しづらいと言ったような症状が出て、徐々に症状が進行することが多いようです。
自覚症状がないことも多く、発作に気づかないままラクナ梗塞が増えてしまい、気づいたときには多発していることも珍しくありません。意識障害が起こることも滅多になく、神経心理学的な症状もありません。発作が起こる場合は、言語障害や歩行障害、運動障害、嚥下障害、痴呆、感情のコントロール障害、尿失禁などが起こります。

多発性脳梗塞と呼ばれるものは、このラクナ梗塞が多発したもので、認知症や脳血管性パーキンソン病の原因となる場合があります。

アテローム血栓性梗塞

 

アテローム血栓性梗塞は、動脈硬化の原因となる基礎疾患、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が原因になります。動脈硬化で狭くなった太い血管内部に血栓ができ、血管が詰まってしまうタイプの脳梗塞です。

安静時に起こりやすく、朝目覚めて発症したことに気づくことも多いようです。軽い片麻痺を起こすものから昏睡状態に陥るものまで、症状は様々です。言葉を発することができなかったり、相手の言っていることが理解できなかったり、見慣れているはずのものが何なのか理解できない、日常動作ができない、視野が欠けるといった症状がでます。意識障害が重く出ることは少ないようですが、不眠で眠れないなどの症状も出ます。


アテローム(粥腫)は徐々に大きくなって血流を阻害しますが、壊死する範囲はさほど大きくならないようです。脳梗塞を発症する前から壊死までならない一過性脳虚血発作を起こすことも多く、これに対処することで脳梗塞発作を予防することもできます。アテローム血栓性梗塞は、他の脳梗塞に比べて一過性脳虚血性発作が先行しやすいとも言われています。閉塞されている部分の症状を繰り返しやすい特徴があり、内頚動脈病変に於いて有名なのが一過性黒内障です。これはダメージを受けている側の視力が一時的に消失するもので、目の前にカーテンがかけられたように暗くなっていくと言われています。


椎骨動脈の場合、回転性のめまいや嘔吐、構音障害を起こしやすくなります。こうした発作の持続時間が長くなればなるほど脳梗塞の危険が高まります。初めて起こってから1ヶ月以内が最も脳梗塞の危険性が高いとも言われているので、入院して精密検査が必要になります。

心原性脳梗塞症

 

不整脈の1つ、心房細動が最も多い原因で起こるのがこの心原性脳梗塞症です。血栓が心臓に生じ、血流に乗って脳まで到達し、脳の太い血管を詰まらせる脳梗塞です。突然起こることが多く、一気に手足の運動麻痺、感覚障害が起こります。その他にも失語や視覚障害、これまで分かっていたものが分からなくなるなどの症状が出ます。巨人の長島監督に起こった脳梗塞はこのタイプです。心房細動は無症状なのがほとんどで、新機能の低下も目立ったものがありません。心房がきちんと収縮しないために、よどんだ血液が内部で固まり血栓となります。すぐに分解されないほど大きな血栓が流出すると、脳梗塞の原因となります。血栓が流出しやすいのは心房細動が正常に戻った直後であることから、心房細動をむやみに治療できません。