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脳血管が破れる

脳卒中の中で、血管が詰まってしまうと脳梗塞になりますが、血管が破れると脳梗塞ではなく、破れた場所によって、くも膜下出血や脳出血となります。くも膜下出血は、最初の出血で1/3が死亡するといわれていて、4週間以内では半数、10年以内では60〜80%が死亡すると言われています。完全に治癒する人は20%ととても低いので、とても怖いものになります。

脳出血

 

頭蓋骨内で出血することを総称して、脳出血や脳溢血と呼ばれます。脳内への出血と、脳周囲の出血に分類されますが、医学的には脳内出血のみを指すことがほとんどです。脳内出血は高血圧性脳内出血と、非高血圧性脳内出血に分かれています。


原因

高血圧が原因で起こる高血圧性脳内出血は、50〜70歳代に多くみられ、これは高血圧や動脈硬化が起こりやすい年齢とも言えます。高血圧は早期治療が普及してきているので、これを原因とするものは減少傾向にありますが、高血圧以外の危険因子として、糖尿病、動脈硬化症、喫煙などが出血性疾患へとつながります。高血圧性脳内出血の死亡率は75%と高く、出血した部分によって被殻出血、皮質下出血、視床出血、脳幹出血、小脳出血などと細分化されます。

非高血圧性脳内出血の場合、脳アミロイド血管障害、脳動静脈奇形、もやもや病、脳腫瘍内出血、抗凝固療法の合併症、アンフェタミンの乱用、血小板機能障害に伴うものなど様々です。高齢者の場合、脳アミロイド血管障害による脳内出血がとても多く、再発を繰り返すことも多いタイプです。

治療

脳内出血を発症してから数日の間は、絶対安静になります。再出血を予防するために、降圧剤で血圧を下げます。脳浮腫を伴っていることも多く、この場合は急激に血圧をさげることは反対に脳の血流の低下を招くために禁忌になっています。浸透圧性利尿剤や、ステロイド剤を必要に応じて使い、頭蓋骨内圧亢進症状を軽くしていきます。

手術は脳ヘルニアがある場合に対してのみ緊急開頭術を行います。また、血腫の大きさが自然に吸収されない大きさであれば、再出血の可能性がなくなり、脳浮腫が治まった時点で、定位脳手術を行います。

くも膜下出血

 

くも膜下出血は、くも膜下腔に出血が起こり、脳脊髄液の中に血液が混入してしまうことを言います。脳卒中の中でくも膜下出血は8%を占めていて、突然死の6.6%が該当します。くも膜下出血は再発しやすいという特徴があり、壮年期の人の方が高齢者よりも多いとされています。


原因

くも膜下出血の80%は脳動脈瘤の破裂によるものです。それ以外のものとして、頭部の外傷、脳腫瘍、脳動静脈の奇形や脳動静脈解離の破裂などがあります。

くも膜下出血の多くを占める脳動静脈の破裂は、動脈の一部が膨らみ、血管壁がもろく、弱くなったことから起こります。脳動脈瘤がある人が、運動や興奮によって脳への血圧が上がってしまうと。動脈瘤の一部が破裂して出血を起こします。出血するのはごく短時間で数秒なのですが、流れ出た血液がくも膜下腔全体にあっという間に浸透してしまい、頭蓋骨内圧亢進症状や髄膜刺激症状を起こします。

若年性のくも膜下出血では最も多い原因になる脳動静脈奇形の破裂では、脳の動脈と静脈が、先天的にシャントを形成している奇形で、もろくて弱くなった静脈壁に高い血圧がかかることで出血を起こしやすくなります。

外傷性によるものの原因は、脊髄液の中に浮かんでいる状態の脳が頭部に衝撃を受け、頭蓋骨内で移動します。このとき、脳と硬膜を結んでいる静脈が切れてしまうことで出血を起こします。

症状

激しい頭痛と嘔吐が突然起こります。頭痛は数日間持続し、脳内血腫がなければ片麻痺や失語などの症状はみられませんが、出血が多い場合、意識障害を起こすため、頭痛を訴えることは不可能です。髄膜刺激症状などの神経症状を起こすことが多く認められます。診断はCT検査やMRI検査で頭部を撮影し、ペンタゴンレベルなどで診断されます。

治療

くも膜下出血の場合、脳神経外科で緊急の原因治療を行い、合併症を防がなければいけません。発症後24時間は再出血の危険性がきわめて高く、血圧上昇を防ぐために暗室で鎮静剤を用います。48時間以内であれば、開頭動脈瘤クリッピング術を行います。血管内治療を行う場合は動脈瘤の中にプラチナ製のコイルを詰めるコイル塞栓術などがあります。